Xの「Manipulated Media」タグが復活|再導入された偽情報対策ラベルの全貌を徹底解説
2025.12.10
2025年11月24日頃、イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディアプラットフォーム「X」(旧Twitter)が、約2年間使用されていなかった「Manipulated Media(操作されたメディア)」ラベルを復活させたことが明らかになりました。このラベルは、意図的に編集・改ざんされた画像や動画に警告を表示する機能で、偽情報の拡散を防ぐことを目的としています。
X Dailyなどの複数のコミュニティアカウントが最初にこの変更を報告し、その後Cryptopolitanなどのテクノロジーメディアも確認。ユーザーが操作されたメディアを共有しようとすると、投稿の直下に「Manipulated media」というラベルが表示され、シェアメニューにも警告が表示される仕組みになっています。

重要ポイント:
- 復活時期:2025年11月24日頃
- 最後の使用:2023年(約2年間休止状態)
- 目的:意図的に改ざんされた画像・動画への警告表示
- 同時展開:アカウント位置情報表示機能と並行してロールアウト
CONTENTS
「Manipulated Media」タグとは?その歴史と背景
2020年の導入:Deepfake時代への対応
「Manipulated Media」ポリシーは、2020年2月4日にTwitter(当時)が正式に発表したものです。AI技術の進化によってDeepfake(ディープフェイク)やその他の高度な画像・動画編集技術が普及し、偽情報の拡散が社会問題化していたことが背景にあります。
同社は6,500件以上のグローバルな意見を収集し、専門家との協議を経てこのポリシーを策定。調査では、回答者の90%以上が「明確に害を及ぼす可能性のあるコンテンツは削除すべき」と回答し、約9割が「警告ラベルの設置は適切」と支持しました。
最初の適用例:2020年大統領選をめぐる攻防
このラベルが最初に適用されたのは2020年3月8日でした。当時の副大統領ジョー・バイデン氏に関する編集動画が、ホワイトハウスのソーシャルメディア責任者によって投稿され、ドナルド・トランプ大統領(当時)がリツイート。この動画は、バイデン氏があたかもトランプ氏を支持しているかのように見せる内容に編集されていました。
Politico、BBC、Washington Postなど主要メディアが報じたこの事例は、600万回以上閲覧され、Twitterの新しいポリシーの試金石となりました。その後、2020年6月にはトランプ氏自身の投稿にもこのラベルが適用され、BBCやThe Vergeが報道しています。
2023年以降の沈黙期間
しかし、2022年10月にイーロン・マスク氏がTwitterを買収し、2023年7月に「X」へとリブランディングして以降、この「Manipulated Media」ラベルはほとんど使用されなくなりました。X Dailyの報告によれば、「2023年以来使用されていなかった」とされ、約2年間の空白期間が存在します。
この間、Xはコンテンツモデレーション(投稿管理)の体制を大幅に縮小し、Community Notes(コミュニティノート)と呼ばれるユーザー主導の事実確認機能に注力していました。しかし、研究者や権利擁護団体からは「有害なコンテンツへの対応が不十分」との批判が続いていました。
「Manipulated Media」ラベルの適用基準と仕組み
どのようなコンテンツが対象になるのか
Xの公式ポリシーページ「Authenticity(真正性)」によれば、以下の3つの基準で判断されます:
1. メディアが合成または操作されているか?
- 構成、順序、タイミング、フレーミングが大幅に変更されている
- 視覚・音声情報が追加・削除されている
- 実在の人物が捏造・シミュレーションされている
2. 欺瞞的な方法で共有されているか?
- コンテンツの性質や起源について人々を混乱させたり誤解させたりする可能性がある文脈で共有されている
- 投稿テキスト、メタデータ、プロフィール情報が虚偽である
3. 公共の安全に影響を与えたり、深刻な害を引き起こす可能性があるか?
- 個人やグループの身体的安全への脅威
- 大規模な暴力や広範な市民不安のリスク
- 投票の抑圧や脅迫など市民参加を妨げる脅威
ラベル付与後の措置
ラベルが付与されたコンテンツに対しては、以下のような対応が取られます:
- 投稿に「Manipulated media」ラベルを表示
- リツイートや「いいね」をする前に警告を表示
- 投稿の表示順位を下げ、推奨されないようにする
- 追加の説明やランディングページへのリンクを提供
- 深刻なケースでは投稿削除やアカウント凍結の可能性
2025年11月の復活:最新事例と適用状況
米国国土安全保障省(DHS)のケース
復活後の注目すべき適用例として、米国国土安全保障省(DHS)の公式Xアカウントの投稿にこのラベルが付けられたことが報告されています。NBC Newsによれば、DHSが投稿した動画に「Manipulated media」ラベルが表示され、コンテンツの真正性について疑問が提起されました。
この事例は、政府機関の公式アカウントでさえもこのラベルの対象となることを示しており、Xが偽情報対策を強化する姿勢を明確にしたものと言えます。
位置情報機能との同時展開
「Manipulated Media」ラベルの復活は、Xが週末に展開した新しい位置情報表示機能と並行して実施されました。この機能は、アカウントが作成された国や地域、ユーザー名の変更回数などを表示するもので、Xのプロダクト責任者ニキタ・ビーア(Nikita Bier)氏が「グローバルなタウンスクエアの信頼性を確保するための重要な第一歩」と述べています。
両機能の同時展開は、トランプ大統領の2期目や2026年中間選挙を見据えた選挙関連の偽情報対策の強化と考えられています。
透明性レポートと今後の展望
2025年前半の取り締まり実績
この新機能の展開は、Xが2025年9月に発表した15ページの透明性レポートに続くものです。このレポートによれば、2025年1月から6月の間に530万件のアカウントが凍結され、児童性的搾取、ハラスメント、その他の有害なコンテンツに関する規則違反で1,070万件の投稿が削除またはラベル付けされました。
また、6か月間で2億2,400万件以上のユーザー報告を受けたとされています。これは、マスク氏が2022年にプラットフォームを買収して以来、初めて発表された正式なグローバル透明性レポートでした。
ユーザー反応と専門家の見解
Dogecoinのグラフィックデザイナーであるブレット・コーワン氏(DogeDesigner)は、「これによりレガシーメディアグループが誤解を招くクリップや画像を拡散することが難しくなる。彼らの常套手段は以前のようには機能しない」とコメントしています。
一方で、Center for Countering Digital Hate(デジタルヘイト対策センター)の2024年7月のレポートでは、イーロン・マスク氏自身が米国選挙に関する虚偽または誤解を招く主張を行った投稿が20億回閲覧されたと指摘されており、事実確認者によって虚偽または誤解を招くとラベル付けされたマスク氏の投稿は少なくとも80件に上るとされています。
まとめ:「Manipulated Media」復活の意義と課題
本記事のポイント:
- 復活の背景:2025年11月24日頃、約2年ぶりに「Manipulated Media」ラベルが復活
- 歴史:2020年2月導入、2020年3月にBiden動画で初適用、2023年以降休止
- 適用基準:合成・操作の有無、欺瞞的共有、公共安全への影響の3つで判断
- 最新事例:DHS公式アカウントにも適用、位置情報機能と同時展開
- 今後の展望:選挙関連偽情報対策の強化が期待される一方、運用の透明性が課題
「Manipulated Media」ラベルの復活は、Xが偽情報対策を再び強化する姿勢を示すものですが、その運用の一貫性と透明性が今後の鍵となります。マスク氏自身の投稿への適用や、政治的中立性の維持など、多くの課題が残されています。
初心者の方がこの機能を理解する際のポイントは、ラベルが付いているからといって必ずしも完全に虚偽というわけではなく、「注意が必要なコンテンツ」として判断材料を提供するものという点です。最終的な情報の真偽判断は、ユーザー自身が複数のソースを確認して行うことが重要です。
今後、2026年の米国中間選挙に向けて、このラベルがどのように活用され、どの程度の効果を発揮するかが注目されます。
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